横浜スタジアムの観客席拡張工事の状況レポ
2019年3月12日。筆者は社会人野球のシーズン到来を告げる「JABA東京スポニチ大会」の2日目を観戦しに横浜スタジアム(通称:ハマスタ)へとやってきた。
無論試合が一番の目当てなのだが、野球ファン的には2020年2月まで行われる改修工事が一部終了することにも目が離せない。ハマスタでのオープン戦初戦(3/16のソフトバンク戦)ではこの工事により拡張される座席のチケット販売がされていることを確認。来る日に向け、一部工事が佳境に差し掛かっていた。今回の記事はその工事の様子を追ったものである。
横浜スタジアムは横浜公園内に大きく鎮座する野球場で、ご存じNPBセントラルリーグの加盟プロ球団、横浜DeNAベイスターズの本拠地であるとともに、高校・大学・社会人のアマチュア野球の大会開催地、そしてアメフトの試合地としてもつかわれる多目的スタジアムである。建設に当たっては建蔽率の問題から、占有する敷地面積を出来るだけ抑えるためにどんぶりのような形をした球場になったという苦難の歴史があり、その後都市公園法が改正されて建蔽率の上限が緩和され、今回ついに従来の観客席の後ろに席を新たに設けるという工事が行われることとなった。*1
俺が小学生の時は、まだ席の色が一部オレンジだったからなぁ……。DeNAの孫会社になってからは座席拡張のほかにも、席の色を青一色に変更するなど、凄まじい数の改修工事が行われていて、10年ほど前とはまるで別の球場かのように姿を大きく変えている。東京五輪の野球・ソフトボールの開催地に選ばれたことも拍車をかけている。
そして
こちらが工事の概要。
2019シーズン開始までにライト側ウイング席と個室観客席が完成。その後動線を確保しながらレフト側ウイング席の工事を進め、こちらは2019シーズンオフ中に完成予定とのことだ。
JR関内駅を出て左に曲がり公園内に入ると、早速重機のお出ましである。
こちらはレフト側ウイング席の基礎工事中。ここからスコアボード裏を通り抜け、彼我庭園からライト側ウイング席の様子を見に行くことにしよう。
ここがライト側ウイング席の外野側の境目。おそらくこの2階部分、回遊デッキの一部が、新しくできる(おそらく退出専用の)ゲートになるのだろう。1階部分にはもともと外野席8番ゲートがあり、そこから入場する形態は変わらないだろうが、2019シーズンから座席が3500席も増えるのだから、とりあえずデッキを一部造り、ウイング席から近い位置に動線を新設した、という意図か。竣工は2020年2月なので、回遊デッキの工事行程は一番最後にまわされるはずである。最終的にはスコアボードの後ろも通し、レフトライトを行き来できるようになるが、デッキの全貌お披露目はもう1年待つことになりそうだ。
もう1つの目玉はバックネット裏棟内の個室観覧席「NISSAN STAR SUITES(日産スタースイート)」だ。放送席横に屋上を備え付けた4階建てのスタンドを新設し、3,4階に30席限定で設けられることになっている。
こんな感じの料理とかが出てくるらしい。オリンピックの時にはここに各国の大使とか、オリンピック関係の閣僚を招くのだと思われる。
では球場内に入って、三塁内野席からライト側ウイング席の様子を見ることにしよう。
どうせ人もあまりいないだろうし、テキトーにどこか前のほう陣取らせてもらおうかなー……って、
でかっ!!
2つの照明塔の間にどどんと建てられたライト側ウイング席。さすが3500席だ、以前とは印象をまるっきり変えている。青色ではあるが、以前からあった席との色の濃淡がはっきりと見てとれる。今回は立ち入り禁止になっていたのでここから見ることは出来なかったが、急勾配なので高さ的には札幌ドームの2階席ぐらいの見え方になると思われる。*2売り子の脚の筋肉が悲鳴を上げそうだ。
まだ何もないレフト側と比較するとウイング席の存在が一層際立つ。2020年にはもうここにもウイング席が建ち、「ありあけのハーバー」の広告は上に移されているだろう。
この日は3試合行われていたのだが、俺は用事の関係で第2試合のSUBARU対沖縄電力の試合のみ観戦。
2番ショート遠藤の3安打猛打賞などで沖縄電力の先発投手狩俣を効率よく攻め立て、投げるほうも3人の継投策が功を奏し、6-1でSUBARUが勝利した。*3
明日16日(土)はウイング席が使用される初の試合。そこに座る観客側からはいったいどんな光景が目に映ることになるのか、中継映像やツイッターのTLなどに注目しよう。